経済指標とは
世界中の投資家は、経済指標の結果を見て「その国の通貨を買うか、売るか」を決めます。そのため、発表直後に為替レートが大きく動きます。
- 指標の結果が良い(経済が健全・成長している)
- ⇒ その国の通貨の信頼性が高まり、買われる(=通貨高になる)。
- 指標の結果が悪い(経済が衰退・悪化している)
- ⇒ その国の通貨への不安が高まり、売られる(=通貨安になる)。
投資家は「より元気で、高い利益(金利)を生み出しそうな国」にお金を預けたいと考えるため、経済指標は投資の判断材料として最も重視されます。
最も重要な3つの分類(何を見ているのか)
経済指標は数百種類ありますが、押さえるべきポイントは以下の3つの視点です。
- 雇用
- 内容: 国内でどれだけの人が働けているか(仕事があるか)。
- 重要性: 働く人が増えれば給料が回り、消費が増えて景気が良くなります。
- 物価
- 内容: モノやサービスの価格がどれくらい上がっている(または下がっている)か。
- 重要性: インフレ(物価上昇)やデフレの進行度を測り、中央銀行が金利を動かす基準になります。
- 景気・政策金利
- 内容: 国全体の売上(GDP)や、中央銀行が設定する金利の行方。
- 重要性: 金利が上がると、その国の通貨の価値は高くなりやすくなります。
為替が動く本当のルール:「予想」と「結果」
経済指標を学ぶ上で、初心者が最も誤解しやすいポイントがここです。為替相場は、単に「結果が良いから上がる」わけではありません。
- 指標が発表される前に、専門家による「事前の予想(市場予想)」が出されます。
- 為替が大きく動くのは、「結果が、事前の予想から大きくズレたとき」です。
たとえば、結果が「少し悪かった」としても、事前の予想が「ものすごく悪い」だった場合、「思ったより悪くなかった(安心)」と捉えられて通貨が買われることがあります。為替相場は「事前の期待(予想)を裏切ったかどうか」で動くという性質を持っています。
米ドル/円(USD/JPY)最重要指標
米国の金融政策(利下げ・利上げ)の判断材料となる指標が中心です。
- 米国:雇用統計
- 発表日:原則として毎月第1金曜日(日本時間21:30、冬時間は22:30)
- 概要:非農業部門雇用者数や失業率。市場が最も注目する指標。
- 米国:消費者物価指数(CPI)
- 発表日:毎月10日〜15日頃
- 概要:インフレの動向を示す指標。FRBの金利政策に直結します
- 米国:米連邦公開市場委員会(FOMC)
- 発表日:年8回(約6週間ごと)の、水曜日(日本時間木曜の午前3:00)
- 概要:米国の政策金利発表。声明文と議長会見で大きく動きます
- 日本:日銀金融政策決定会合
- 発表日:年8回、木〜金曜日の2日間開催の最終日(12:00前後)
- 概要:日本の政策金利やYCC(イールドカーブ・コントロール)の方針発表。
トルコリラ/円(TRY/JPY)最重要指標
トルコは高いインフレ率が課題となっているため、物価指標と中銀の金利姿勢がすべてとなります。
- トルコ:中央銀行 政策金利発表
- 発表日:原則として毎月第3または第4木曜日(日本時間20:00)
- 概要:トルコリラ相場における最大のイベント。利上げ・利下げのサプライズで激変します。
- トルコ:消費者物価指数(CPI)
- 発表日:毎月3日(土日の場合は翌営業日、日本時間16:00)
- 概要:トルコのインフレ実態を示す指標。実質金利の計算に直結します。